K16クラス造艇規則(2008 年改定)

1.総則

K16 はワンデザインクラスであり、この規則の目的は、全ての主要な箇所に於いて、この

クラスの艇が可能な限り、同一であることを確保するためである。許容数値を、艇体の形

を変える為に故意に用いてはならない。

2.主要寸法

全長 (L.0.A.)4m 950mm (16’ 2.25″)

水線長(L.W.L)4m 720mm (15’ 5.75″)

最大巾(MAX Beam)1m 610mm(5’ 3.75″)

喫水(Draft) Om l50mm C.Bup

帆面積(Sai1 Area)Main 11.55 ㎡ Jib 4.84 ㎡

艤装艇体重量(fully fitted hull weight)100 kg (minimum)

帆走重量(Sailing Weight) 120 kg (minimum)

3.艇体

① 構造(建造方法)は、設計図に於いて標準構造を提示するも、任意である。

② 船殼は、各セクション、ステム、トランサムに於いて許容数値内で、設計図に一致すること。

全長は、センターライン上に於いて、トランサム後面上端(又はそれと見做される点)より、ステムヘッド(デッキラインとステムラインとの交点で金具類を除く)までの間であり、士10mm、シアー巾及びチャイン巾に於いて、±8mm、キール外面より、チャイン及びシアー高さに於いて士8mm の許容数値を認める。

③ デッキ及びコクピット・レイアウトは任意であるが、標準形状を設計図に示す。

④ フェンダー(シアー・ガード)は、巾50mm、厚さ(垂直部)35mm 以内で取り付けること。

⑤ ステム及びキール・バンドは巾12mm、厚さ3~5 mm 以内のもので、ステム及びキール外面全長にわたり取り付けること。(センターボード・スロット部には、スロット両面に取り付け)但し、FRP艇においては省略してもよい。

⑥ チャインは半径10mm 以内で丸みを付けてもよい。

⑦ センターボードケース・スロットは、トランサム後面(又はそれと見做される点)より、1m200mm~2m700mm の間に納まり、その内巾は35mm 以下であること。又ケースの高さは、キール外面より、いかなる点も260mm 以上あること。センターボード・ボルト位置は、トランサム後面より、2500mm 士50mm に位置すること。

⑧ 艤装については任意であるが、標準艤装を図面に示す。

⑨ 艤装艇体重量は乾燥状態で100kg 以上(マスト・ブーム・スピンポール・セール・シート類を除<)

帆走重量は120kg 以上あること。(艤装艇体にマスト・ブーム・スピンポール・セール・シート類をセットした艇の重量で、アンカー及びアンカーローブ乗員のライフジャケット、アカ汲みなどは除く)

重量修正物による修正は10kg までとする。

⑩ 浮力装備及び排水装備

前部浮力装備及び両サイド浮力装備を持つこと。そして各々が独立していること。そして、その浮力は、セーリング装備の状態で、水船になった時、マストとトランサムの間に、150 kg 以上の重量を支えて、ほぼ前後水平に浮くことができ、転覆しても、自力で復元して再帆走が容易な浮力と、排水装置(セルフベーラー、トランサムホールなど)を有すること。水密隔壁(エアタンク)のみでは浮力装置とは見做さず適当な浮力材(例えばスティロフオーム、発泡ウレタンフオームなど)を組付けることを要す。

理想的な浮力量の目安は、横転状態で、センターボード(又はキールライン)が水面上300mm 位の高さにあり、前後水平に艇体が浮く状態がよい。過剰浮力には注意すること。

4.センターボード、ラダー及びティラー。

① センターボードの形状は、任意であるが、図面に標準図を示しておく。ダガータイプ、ピボットタイプいずれでもよい。ルールに指示されたセンターケースに納まり完全に上げた時、ハルのボトムより下に出てはならない。

② ラダー(ヘッド及びブレード)の形状は任意であるが、標準図を示しておく。 トランサムに下げられ、1枚に限る。巻き上げ式、差し込み式、固定式、いずれでもよい。

③ ティラーの形及び長さは任意である。ティラーはトランサムの一部を貫通しても、トランサム上を通って取り付けられてもよい。

④ どの様なタイプのものでもよいが、トランサムからラダーが突然外れない様に、ラダーストッパーを取り付けること。

5.マスト・ポジション及びジブタック・ポジション

① マスト・ポジション

トランサム後面(又はそれと見做される面)より、センターラインに沿って計ってマストステップは3m000mm ~3m200mm の間に納まらなければならない。

② ジブタック・ポジション

トランサム後面(又はそれと見做される面)上端より、センターラインに沿って計って、ジブタックは4650mm 士50mm(4600mm ~4700mm)の位置でデッキラインレベル・艇体中心線上に取り付けられること。フオアステイは、ジブタック位置より前方センターライン上に取り付けられること。

6.スパー(マスト、ブーム、スピンポール)

マスト・ブーム・スピンポールの構造及び材質は任意である。寸法はセール・プランに示す。

① マストはオンデッキ式;インデッキ式いずれでもよく、固定式;回転式いずれでもよい。パーマネントベンドマストはいけない。フィッティングなしで直径100mm の円を通り抜けること。

② ブームは、マストに取り付ける方式は、固定式でもスライド式でもよい。フィッティングなしで直径100mm の円を通り抜けること。パーマネントベンドブームはいけない。

③ スピンポールは、フィッティングを含め、全長2m000mm 以内で直径は任意である。使用の再、一端はマストに取り付けられること。但し、バウポールの全長は2m200mm以内とし、収納時にはステムヘッドより300mm 以上突き出ていてはならない。

7. スタンディング・リギン

マストは、一本のフォア・ステイと、2本のメイン・シュラウド(サイド・ステイ)のみ認められる。シュラウドは、トランサム後面(又はそれと見做される面)より、2600mm 土50mm の位置で、艇体(デッキ上又は艇内のシュラウド・プレート)に結合すること。一組のスプレッダーの使用は認められる。

8.セール・プラン


スピンネーカーについては、いずれのブランを使用しても可であるが、1つのレガッタ(またはシリーズ、大会)では、単一タイプのスビンネーカーのみ使用可とする

① マスト及びブーム上のブラックバンド(又は、マスト及びブームの色と対照的なカラーバンド)は、巾10mm で、次の通りに塗られること。

a マストのブラックバンド(又はカラーバンド)

No.1 バンドの上縁はマストを垂直に立ててシアーの上端に一致する位置に書かれる。

No.2 バンドは、その上縁がNo.1 バンドの上縁より650mm 上の位置にかれる。

No.3 バンドは、その下縁がNo.1 バンドの上縁より4m 850mm 上の位置に書かれる

No.4 バンドは、その下縁がNo.1 バンドの上縁より6m 650mm 上の位置に書かれる

マストはNo.4 バンドの下縁より100mm 以上長くてはいけない。

オンデッキマストの場合には、シアーの上端の高さがNo.1 バンドの上縁とみなす

b メインセールのラフは、マストにセットした状態で、No.2 バンド上縁と、No.4 バンド下縁との間に納まらねばならない。

c ジブ・ハリヤードのブロック・シーブ又はフェアリードは、No.3 バンド下縁より下に取り付けられること。

d フォア・ステイのラインは、No.3 バンド下縁より150mm 以内の高さに於いて、マスト前面に交わること。但し帆走時は取り外してもよい。

e スピン・ハリヤードのブロック、シーブ、又はフェアリードは、No.3 バンド下縁より500mm 以内の高さに於いて取り付けられること。

f ブームのカラー・バンドは、ブームをマストに直角にセットして、その前縁(内縁)がマスト後面より2m 800mm の位置に書かれる。ブームはこの前線より100mm 以上長くてはいけない。

g メイン・セールのフットは、ブームにセットして、このバンド内縁より内側に納まらなければならない。(ルーズフットも可)

② セール

セール・プランの寸法はいずれも最大寸法を示している。どの寸法に於いても小さい場合には、許可される。セールクロスの材質と重さは任意である。

セールの計測点及び主要な寸法は、「セーリング装備規則2005 年-2008 年」による。

a メインセール

ラフ: 6m 000mm

フット: 2m 800mm

リーチ: 6m 500mm

ヘッドボード巾: 150mm(マストに直角に)

1/2 リーチ幅:2200mm (セールの縁にへこみがある場合は、セーリング装備規則に従い補正されなければならない。)

バテンポケット

長さ及び位置:トップバテンポケットのリーチ側上端はヘッドボードの後方上端角から1 m 300mm 以上離れなければならない。トップバテンポケットの位置のセール巾は、1m200mm 以下であること。パテンはリーチを張らせるために使われ数は4 本とする。トップバテンを除く他の3本のバテンポケットの長さは、特に定めない。

b フォアセール

ラフ: 4m 500mm

フット: 2m 300mm (フットのローチは、なめらかなカーブであること)

リーチ: 4m 300mm (直線か凹カーブであること)

ラフワイヤーは必ずラフ全長にわたって取り付けられていること。

フライングセットでも、フオアステイにセットするのもいずれでもよい。

ヘッドボード、バテンは禁ずる。

C スピンネーカー

ア 対称タイプ

左右対称で三つの角を持ったものであること。

ラフ(左右): 5m300mm

ヘッドからフット中点下端までの長さ: 6m000mm

フット: 3m600mm

2 分の1巾: 3m850mm

イ 非対称タイプ

ラフ: 6m700mm

リーチ: 5m400mm

フット: 3m700mm

2 分の1巾: 3m500mm

d 透明な窓は、メンスル、フオアセールいずれに取り付けてもよい。0.3 ㎡以内の大きさで、セールの1/2 高さ以下の位置で、セールの線のいかなる箇所より100mm 以上離すこと。

e セールマーク及びナンバー

クラス・マークはK16 でゴチック体の文字であること。文字及び数字の高さは、 300mm以上、巾200mm 以上、文字の配列間隔60mm 以上であること。

9.ハイキング装置

一組のトラピーズ装置のみ使用可。但しヘルムスマンは使用できない。

10. レース乗員

トラピーズ使用の艇は二人、トラピーズ不使用の艇は3人までよい。

11. 計測及び登録は、各々計測規定及び登録規定に従うこと。

12.設計図発行及び設計者ロイヤリティー(図面料):

設計図の発行は設計者が行い、そのロイヤリティーは¥3,000-で、設計者に支払

われること。

 

附則   この規則は、1998 年1 月1 日以降に建造される艇に適用される。

この規則は、2008 年7 月6 日以降に建造される艇に適用される。それ以前に建造された艇、セールプランについては、当分の間、改正前の従前の規則を適用する。


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