2011年K16クラス山村杯チームレース

 K16クラスの今年最後のレースとして、山村杯チームレースが行われた。

この山村杯は、40年ほど前、俳優の山村聰氏がK16に乗られており、そのご縁でカップを寄贈していただいたことから始まっている。
山村聰氏は、当時は日本を代表する俳優であったが、2000年に亡くなられ、若い世代の方はあまりご存知ないかもしれない。
ここのところ、K16クラスでは年3回チームレースを開催しており、通常は3艇×4チームで戦っているが、今回は諸般の事情で参加艇が少なく、3チームの出場であった。その中でも、Bチーム(くろしお・USCチーム)は2艇しか出艇できず、不利な状況での戦いになった。
今回は、チーム対抗戦(チームごとのマッチ)を3回戦行い、最後に4回戦として、全艇参加の総当たり戦を行い、チーム順位を競った。
コースは、中スタートでソーセージを2周するコース。晴れて気温も高めで、秋の爽やかな天候だったが、風は微風~弱風のコンディションであった。

海面で少し風待ちをした後、11:41に1回戦、Aチーム(KSCチーム)対Bチームがスタートした。
常勝Aチームの1140小山田艇がトップを帆走し、Bチームの1050森野艇が食いついていたが、結局1位1140号艇、2位が1050号艇であった。Bチームは2艇しか出艇していないので、トップをとらなければ勝つことができず、Aチームの勝利となった。

2回戦はBチーム対Cチーム(味の素・神出・東海チーム)で12:12スタート。
Bチームの1050号艇と1132加藤艇が終始リードし、結局1,2フィニッシュとなり、1艇少ないながらも勝利を得た。

3回戦はAチーム対Cチームで12:45スタート。このレースではCチームが振るわず、Aチームが1~3位を独占して勝利した。

4回戦は今回から初の試みの全艇総当り戦。風が少し出てきたので、上マークまでの距離を約2倍にしたコース設定で、13:18にスタートした。
このレースでは1050艇の速さが目立ち、第1上マークからトップをとり、結局トップでフィニッシュした。
エキサイティングだったのは2位争い。第2下マークに近づくところでAチームの1140号艇とBチーム1132号艇が競り合い、下側にいた1140号艇が1132号艇を追い上げて、Aチームの後続艇を先に行かせようとした。
チームレースでは通常のレースとルールが異なり、マーク付近で下側の艇がプロパーコースをはずれてどこまでも追い上げることができる。しかし、ここで1132号艇が乾坤一擲のジャイブを行ってスターボードになり、1140号艇の追い上げを阻止して先にマークを回航した。
この結果によって1132号艇は2位でフィニッシュし、Bチームの1、2フィニッシュとなった。4回戦では出艇しない艇は9点となるため、AチームとBチームが同点となり、1位をとったBチームが2艇の出艇にもかかわらず、全艇総当り戦を制す快挙を成し遂げた。

総合順位は勝点のため、Aチームが優勝したが、Bチームの活躍が目立つシリーズであった。Bチーム1050号艇のスキッパー森野氏は関西から、1132号艇のスキッパー加藤氏は札幌から駆けつけての出場であり、両艇ともおおいに存在感を示した。
K16クラスのメンバーは、ルールを含めてチームレースの戦い方に慣れてきており、今回は出艇数が少なかったものの、チームレースらしさがみられる結果となった。
ハーバーに戻って、表彰式で乾杯し、来年の健闘を誓い合って散会した。
レポートおよび成績表
レースレポート 入谷和彦

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